1 換機で消えやすいものを整理する
Clash Verge Rev は画面から購読を追加し、Profile を切り替えながら Mihomo コアに設定を渡す構成です。バックアップの単位を誤ると、「アプリは入れたのにノードが空」「ルールだけ古いまま」といった半端な状態になりがちです。最低限、次のような塊を意識しておくと復元が速くなります。
- 購読メタデータ:URL・更新間隔・有効化していたプロファイル一覧(アプリが管理する JSON/設定ストアに含まれることが多い)
- 各 Profile の実体:リモート購読から取得した
YAML、ローカル作成した構成、Rule Provider のキャッシュ - 覆写・mixin:購読更新で上書きされないよう分離している追記ルールや
mixin断片(詳しくは「mixin/覆写で購読を守る」を参照) - Geo データ:
Country.mmdb、geoip.dat、geosite.datなど。丸ごとコピーすれば再ダウンロードを省略できますが、容量と鮮度のトレードオフがあります
初回セットアップの流れは OS ごとにWindows 版およびmacOS 版の記事で扱っています。換機作業は「いま動いている環境のフォルダを丸ごと退避する」が基本戦略です。
2 バックアップ前:必ずアプリとコアを止める
Windows でも macOS でも、実行中のプロセスがファイルをロックしている状態でコピーすると、設定が途中までしか取れなかったり、ZIP が壊れたりします。トレイ/メニューバーから Clash Verge Rev を完全終了し、可能ならタスクマネージャやアクティビティモニタで関連プロセスが残っていないか確認してからフォルダを複製してください。
サービスモード や TUN を使っている Windows では、裏でヘルパーが動いていることがあります。クライアントの設定画面でサービスを一時停止する・管理者権限で終了する、といった公式の手順があればそれに従うと安全です。macOS でもネットワーク拡張まわりのプロセスが残る場合があるため、「コピー前にもう一度アプリを終了」は念入りに行う価値があります。
バックアップ先は、暗号化された外部 SSD、BitLocker や FileVault 有効なディスク、もしくは信頼できるクラウドのプライベート領域を推奨します。購読 URL はそのままでは第三者に丸見えになるため、共有フォルダに平文で置かないでください。
3 Windows:アプリデータの標準パス
多くの環境で、Clash Verge Rev(識別子 io.github.clash-verge-rev.clash-verge-rev)のユーザデータは次のローミング配下にまとまります。
%APPDATA%\io.github.clash-verge-rev.clash-verge-rev
エクスプローラーのアドレスバーに %APPDATA%\io.github.clash-verge-rev.clash-verge-rev と貼り付けて Enter を押すと開けます。ポータブル版やカスタムインストールでは別場所を指している可能性があるため、その場合はアプリの「設定ディレクトリを開く」系メニューやログに出る検証パスを手がかりにしてください。
このフォルダには、設定検証用の一時 yaml、Geo データ、プロファイル関連サブディレクトリなどが含まれる構成になっていることが多いです。フォルダごとコピーしておけば、購読キャッシュとルールの実体をまとめて保全しやすくなります。
4 macOS:Application Support 以下
macOS では Tauri 系アプリと同様、ユーザごとの Application Support にデータが置かれるのが一般的です。Clash Verge Rev も次のパスを確認してください。
~/Library/Application Support/io.github.clash-verge-rev.clash-verge-rev
Finder では 移動メニュー → オプションを押しながら「ライブラリを表示」 を選び、Application Support をたどる方法がわかりやすいです。iCloud ドライブで「デスクトップとドキュメント」を同期している場合、誤ってクラウド側に機密のバックアップを残さないよう、保存先をよく確認してください。
メニューバー常駐や Gatekeeper、ログイン項目まわりはmacOS インストール記事のとおりです。換機後は権限ダイアログをもう一度通す必要が出る点だけ留意してください。
5 フォルダの中身:何が「自分のカスタム」か
実際のサブフォルダ名はバージョンで多少変わり得ますが、次のようなものに注目すると、購読とカスタムルールの両方を追いやすくなります。
- プロファイル格納領域:複数の
YAMLやダウンロード済みルールセットが並ぶ場所。ここに Rule Provider のキャッシュが溜まっていることが多いです。 - アプリ側の設定:ウィンドウ状態・言語・プロキシスイッチの既定など。丸ごと戻すと UI まで以前に近い体験になります。
- mixin/スクリプト/覆写:GUI から編集した追記がファイルとして残っている場合、これを失うと「購読は取れたのにルールだけ素に戻った」状態になります。
どのファイルが最終的にコアへマージされるかは、Verge の「設定のプレビュー」やログの 生成されたランタイム構成 を見るのが確実です。混乱したときは、まず現行マシンで 有効 Profile を一つに絞り、そのときのディレクトリをスナップショットすると調査が楽になります。
Geo データだけ新しく取り直したい場合は、GeoIP/Geosite の手動更新の手順に沿って差し替えても構いません。換機直後に古い mmdb を持ち込むと、国コードまわりのルールだけ挙動が変わる点には注意してください。
6 新 PC/再インストール後の復元手順
推奨フロー
- 公式ビルドから Clash Verge Rev を新規インストールし、一度起動してデータディレクトリを生成させる(当サイトのダウンロードページから各 OS 版を取得できます)。
- アプリを終了し、バックアップしておいたフォルダの中身を、上記 §3・§4 のパスに上書きコピーする。既存ファイルと衝突する場合は、先に新規生成されたフォルダを別名で退避してから丸ごと差し替えると安全です。
- 再起動後、Profile の一覧と有効化状態、購読の最終更新時刻、ルールタブの見え方を確認する。
- システムプロキシや TUN をオンにする前に、ログで設定検証エラーがないかを読む。問題があれば、まず mixin/覆写を一時無効にして切り分けます。
Windows で サービスモード や 管理者起動 を使っていた場合、復元後に再度サービスインストールや UAC 承認が必要になるのは正常です。macOS でもネットワーク拡張の許可がリセットされるため、初回と同様に案内に従ってください。
ターミナルや Docker まで含めて一貫した経路にしたい場合は、復元後にTUN モードの解説へ進み、仮想 NIC とループ回避を再確認するとよいでしょう。
7 Windows から macOS へ(またはその逆)の注意点
ディレクトリパスは異なりますが、中身の YAML とルール資産そのものは Mihomo 互換であれば多くの場合そのまま持ち運べます。ただし次の差は踏み外しやすいので、跨ぎ移行では必ず読んでください。
- パスの表記:設定内に Windows 固有の絶対パスが書かれていないか。相対パスや Rule Provider の URL ベースの参照の方が移植に強いです。
- TUN・サービス・権限:OS ごとにドライバやヘルパーの仕組みが違うため、「設定 JSON をそのまま」では再現できない項目があります。コアに渡る
yamlに焦点を当ててください。 - 改行コードとエディタ:稀にエディタの BOM や改行の違いでパーサが警告を出すことがあります。UTF-8・LF で保存し直すと解消することがあります。
実務では、購読 URL のリストをエクスポートし、新 OS ではクリーンに取り込み直し、mixin だけ手元のリポジトリから再適用する、という二段構えも有効です。一度に全部コピーするより手数は増えますが、壊れた中間ファイルを運ばないという意味で安全側に振れます。
8 セキュリティ:バックアップは「鍵束」同然
バックアップフォルダには、購読 URL(多くの場合認証トークン付き)、ノードの実体、場合によってはメモしたメモやスクリプトが含まれます。これを第三者に渡すことは、アカウントの乗っ取りに近いリスクを伴います。クラウドに置くならクライアント側暗号化や ZIP にパスワードをかけるなど、少なくとも共有リンクの公開は避けてください。
オープンソースの信頼性を確認したい場合は、上流の GitHub リポジトリでリリースノートや Issue を読むのが有効です。ただしインストールパッケージの入手は、本サイトのダウンロードページを主経路にし、Release 直リンクだけに頼らない運用がミスを減らします(セキュリティと利便性のバランスのための推奨です)。
10 まとめ
Clash Verge Rev の換機・再インストールでは、Windows の %APPDATA%\io.github.clash-verge-rev.clash-verge-rev と、macOS の ~/Library/Application Support/io.github.clash-verge-rev.clash-verge-rev を丸ごと保全するのが近道です。アプリとコアを止めてからコピーし、新環境では一度公式ビルドで起動してから上書き復元し、ログで検証エラーを潰す——この順序を守ると、購読・Profile・カスタムルール・mixin/覆写 をまとめて引き継げます。
同種の GUI に比べ、Mihomo ベースの Verge Rev はログと設定の見通しが良く、トラブル時も「どのファイルが効いているか」を追いやすいのが強みです。換機のたびに手作業で URL を貼り直すのではなく、一度正しいバックアップ習慣を作っておくと、OS アップグレードのたびの精神的コストが大きく下がります。
日常利用ではシステムプロキシから入り、必要に応じて TUN へ広げる構成が扱いやすく、安定性の面でもバランスが取りやすいです。新しいマシンでも同じ快適さを再現したい方は、まず当サイトからクライアントを入手し、本稿のパスに沿ってデータを戻してみてください。